登山ブームともいわれるこのごろですが、沖縄からも富士山登山ツアーなどもあり富士山に登る、またはいつかは登ってみたいという方もいらっしゃるかと思います。
富士山登山は人気で比較的敷居が低い山に感じるかもしれませんが、富士山は高山病の発症リスクがある高さの山です。2012年に行った登山者へのアンケートでは実に40%の登山者がなんらかの高山病の症状があったと答えています。これほど高山病が多い理由として考えられるのは
1.登山日程が短い。
・3500m を超える高度に 1 日で登高する場合
・3000m を超える高度で,1 日 500m を超える登高で就寝し,順応のための予備日を設けない場合
の急性高山病の発症リスクは低、中、高の3段階で最も高い「高」にあたります。
富士登山の多くの人は5合目まで車で行き、そこから約半数の人が日帰りで登ります。途中で1泊する場合でも500m以上登って一泊する人も多く、いずれにしても、高山病になりやすい登山行程です。
2.登山経験が浅い人が多い
登山道の整備などで比較的簡単に登れるようになったため、登山経験が浅い登山者が増えたことも原因の一つです。登山者の約6割が、登山経験がない、もしくは、あまりないとアンケートで答えています。今まで高所に行ったことがない人がいきなり3000mに行けば高山病になるリスクは高くなります。また装備や登山、高山病に対する知識がないまま登山を行う登山者が増えたことも原因の一つです。
時に沖縄は高い山がありませんので、事前に予防策として、ある程度高い山で登山経験をしようと思ったら県外に行くしかありません。本来ならばそれが一番いいのですが、低酸素施設である程度、高地順応のトレーニングをすることができます。
登山対策の場合は出発のギリギリ前まで連続して3回以上、低酸素の環境の中で滞在もしくはウォーキングをするのが効果的と言われています。低酸素室のトレーニングで高山病にならないか心配される方もいらっしゃいますが、短時間のトレーニングでは高山病になるリスクはほとんどありません。万が一頭痛などの異変があったときは低酸素ルームから外に出れば回復します。
高山病になるかならないかは個人差があり、これは年齢、性別、運動能力等とは全く関係ありません。なので低酸素室で高所対策をしたからといって100%高山病を防げるわけではありませんが、そのリスクを減らすことは可能です。
初めての富士山登山を計画している方はぜひご相談ください。
画像はキリマンジャロ登山のためにSSOLで高所順応トレーニングをされたお客様。
5キロのリュックを背負って、傾斜をつけたトレッドミルをゆっくり1時間歩くメニューを5日間行いました。キリマンジャロは標高約5600m。簡単ではなかったそうですが、無事登頂されました。